参加レポート RPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019
はじめに
12/9(金) 東京国際フォーラムで行われたRPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019に参加しました。
最新のRPA動向やRPA導入の苦労話、ノウハウを聞けるので、次回も参加したく思います。
1つだけ反省点です。予約を1週間前くらいにしたのですが、遅かったらしく、ハンズオンや小さな人気セッションは、満席で入れなかったですね。
次回は、もっと早く予約しよう!
セッションの傾向
以下のような印象でした。
1)RPAと関連技術の組み合わせ
RPA-OCRの紹介が多かったです。
全体的に判断にAI絡めるなど、RPA+αするフェーズになってきている感じを受けました。
例えば、アビームコンサルティング社は、RPA-OCR-Chatbotを使って領収書処理の自動化をしていましたね。
2)RPAに付随するビジネスの紹介
RPAの属人化を防ぐためのマニュアル作り、自動化候補となる業務抽出サービス、RPA人材派遣サービス
3)サーバ型、デスクトップ型
サーバ型のRPAが増えてきている印象。ロボット導入が増えたことによる一括管理や野良ロボット対策。 個人レベルではなく組織的改善に取り組む場合にも適していると思われます。
デスクトップ型のように、PCつけっぱなしも防げます。
学んだこと
※@以下はセッション登壇会社
顧客からの要望
- 万全な問合せサポート@クレオ
早いほうが嬉しい。情報(ログや画面キャプチャ)を提供すれば、確実に解決出来ると思いたい。
だから、画面共有のサポートを用意した。 - マニュアルを作って欲しい@クレオ
TENDA社のDojoを組み合わせている。システム操作手順をキャプチャーし、自動で手順書を作成してくれる。
TENDA社はRPA対象業務の分析と効果予測をしてくれる製品D-Analyzerも扱っている会社。
ロボットを作る部隊と業務部隊が分かれる組織で需要があるそうです。 - RPA導入理由@RPA Community
①作業の時間的、心理的負担の削減
②人員の再配置
③対外アピール
- RPA導入理由@BluePrism
①業務委託、BPOをRPAで代替(アウトソーシング)
②定形作業から社員を開放。働き方改革
③高付加価値業務、ボトルネック業務を社内が行える
RPA導入業務例
目指す削減工数@デジタルフォルン
自動化された年間工数:中央値13,000時間/年(電力、ITベンダー、金融除く)である。 まずは、この数値を目安にしたら良いのでは。導入事例(営業)
- 請求書発行
- 売上実績登録
- 売上集計レポーティング
- 見積製品の最新価格チェック
導入事例(人事・総務)
- 期間満了予定者のチェック
- 入退室時間のチェック
- 勤務時間管理
- 健康診断の未実施者へのフォローメール
導入事例(マーケティング)
- 競合価格調査
- 口コミチェック
- 株価チェック
- バズワード掲載サイトチェック
導入事例(経理)
- 投資ガイドラインの違反チェック
- 貿易書類のチェック自動化
導入事例(IT部門)
RPA導入成功例
- 早期に経営効果を出すための普及シナリオの検討@パーソルキャリア
- ロボの共通部分化(スニペット化)が大切@パーソルキャリア
メンテナンス工数を減らせる。
例えば、名前や年収を入れるプロセスなど、必ず入力項目にあるようなものをスニペット化。 - 事前の実態調査@パーソルキャリア
連携先WEBサイトがいくつもある場合、その利用実態を調べてみる。
実際、2社だけで5割超えの利用率となった。つまり、ロボット化はその2社を基準に作成すれば良い。 - 受け入れやすい業務プロセスの設計@パーソルキャリア
負荷を増やしたり、プロセスの大幅変更はNG - 戦略を立てる@パーソルキャリア
目的(Why)、ゴール(経営効果)、登り方(成功事例の展開)の定義。 人材@パーソルキャリア
RPA伝道師を作る、増やす。受け入れてもらう工夫@パーソルキャリア
RPA化のメリットを説明。実際に触ってもらって納得してもらった。
この会社では、メールのような非構造化データを扱う部分を、WEB入力に業務変更してもらったとのこと。
非構造化データを扱いづらいというのは、RPAの都合である。 その部分に対してのアプローチとして参考になった。 BluePrismも似た改善で効果を上げた事例をパンフレットで紹介していた。 業務に必要な情報が3つのDBに分かれていたものを統合したそうだ。デジタル従業員を作る考えを持つこと@BluePrism
何十万の削減時間はどこにいったという企業が多い。 経営効果(人員の再配置など)が出て初めて効果ありと言えるのでは。
例えば、バックオフィス人員を70から50人に削減し、再配置。
削減した工数を非優先業務に置き換えたら何も意味がない。経営効果を定義しよう。人事評価とRPA推進をつなげる@BluePrism
RPAのロボット作りをボランティアにしてしまうと、大きな改善は見込めない。 目的を持って戦略的に。人事考課にもきっちりつなげることが大切。
RPA導入失敗事例
- 組織人数があまりに少ない。4名かつエンジニアのみ。@パーソルキャリア
「RPA導入する→業務改善する」ではない@RPA Community
改善には濃度がある。数%しか改善しない場合もあれば、100%改善することもある。 RPA導入を0、100で考えない。 業務整理しないまま、とりあえずRPA化することはやめよう。RPA提案のNGワード@RPA Community
提案する企業によっては、ざわざわしたり、怒られが発生するワードがある。
例)
「価値のある作業を」
「付加価値の高い作業を」
「単純作業を」
「無駄な作業を」
「24時間365日働ける部下ほしくないですか」
⇒「そんな無駄な仕事でも誇りを持ってやっているんだ」と言われたことがあるらしい。
⇒そこで、言葉を見直した話を聞けた。たとえば単純作業を定型作業に。
⇒社員に寄り添う姿勢が大切。RPAは人の仕事を奪うツールではなく、人と共存するツール。RPA化を目的にしてはいけない
どのセッションでもおっしゃっていた気がする。- 不安定だからといって諦めない。@デジタルフォルン
RPAはすべてがカンタンではない。不安定な動作も起きうる。
しかし、自動化した場合の効果が高いのであれば、自動化に挑戦すべき。
気持ち的な話
まずは試してみよう。
これなら簡単にできそう、人に勧められそう、という手応えが得られる。「早くカンタンに作る」という言葉は何かを犠牲にしている。本当にいいことなのだろうか。@BluePrism
実はメンテナンス性を落としていないだろうか。
ユーザに負担をかしていないだろうか。
Blue Prismの強み
もっとたくさんあるのだろうけど、一番学びが多かったのでご紹介。
- RPAという言葉を生み出した企業 RPA老舗ならではの知見を提供してくれる。
セキュリティ
ログが強み。ロボットが何を登録したかまでログ出力してくれる。監査で使用可能。
他社の場合、ロボットが動作したかどうかはわかるが、何を登録したかまではわからない。ライセンス
ライセンス費用は本番環境のみ発生。素敵!
また、ロボットの同時稼働の数が課金対象。同時稼働させなければ費用がかからない。
1ロボットあたり120万円/年。- すべてサーバ型
セキュリティが主な理由と理解した。 野良ロボットが動くのを防ぐため。 ロボットやその利用者を適切に管理するため。 個人業務をガンガン改善したい人には向かない。
AI OCR “Tegaki(手書き)”
Tegakiは、手書き書類をスキャンして取り込むだけで簡単にデータ化して保存ができる手書きOCRサービス。RPA-OCRを紹介していたほとんど企業がコレだった。
セキュリティ
入力項目ごとに分解し、ばらばらにサーバに送信する技術もある。
例えば、アンケート用紙であれば、個人が何を入力したかわからないよう、名字と名前とアンケート項目をそれぞれ別のタイミングでサーバに送信する。接続性
Tegaki単体だけでなく、APIから利用することも出来る。 APIを用いて、Tegakiのクラウドサービスと連携する。
VPNや専用線接続も検討してくれる。- 性能
手書き文字認識率99.2%
チューニングも出来る。例えば、この項目はカタカナのみ と定義すると、認識率の精度が上がる。
しかし、チューニングも時には仇となるようです。
デモに参加したのですが、わたしがたまたま、カタカナチューニングされたフリガナ部分を、ひらがなで記載したら、まったく意味不明な回答が返ってきました。
AI OCR “Tegaki(手書き)” ご紹介資料 株式会社Cogent Labs